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税理士法人 成和新着情報

事業承継税制の現状と今後

  今後の税制改正の原案となる平成30年度税制改正大綱が、先月22日に閣議決定されました。今回の税制改正大綱の目玉の一つが「事業承継税制の拡充」です。平成21年に創設された事業承継税制は、事業承継の円滑化を趣旨として、中小企業の株式に係る相続税や贈与税の納税が大幅に猶予・減免されるものであり、今回予定されている拡充内容は以下の通りです。

1. 納税猶予対象が100%へ拡充
 納税猶予の対象となる株式数が2/3から制限なしに、納税猶予される割合が80%から全額に引上げられます。ただし、施行日後5年以内に認定革新支援機関の指導・助言を受け、後継者や経営見通し等が記載された承継計画を作成する必要があります。
 
2. 経営者以外の株主から贈与等された株式も納税猶予対象に
 後継者が経営者以外の株主から贈与等を受けた場合にも納税猶予の対象となり、更に納税猶予の対象となる後継者が、1名から複数名に拡充されます。
 
3. 納税猶予の条件としての雇用確保要件の緩和
 従業員の雇用確保要件を満たすことができなかった場合であっても、一定の書類を都道府県に提出することを条件として猶予期限が延長されます。
 
4. 経営環境が変化した場合の減免制度
 経営環境が悪化(一定の条件あり)して、株式を譲渡するとき、又は合併・解散によって会社が消滅するとき等には、納税猶予税額が免除されることになりました。
 
 
【国際税務教室】 恒久的施設(PE)規定の見直し(平成30年度税制改正大綱)

 平成30年度税制改正の大綱が決定されました(※1)。国際課税についてみれば、恒久的施設(Permanent Establishment)―以下、「PE」とします。)関連規定の見直しを行うとされています。

 OECDモデル租税条約では、二重課税防止のため、事業所得に対する源泉地国での課税は、その国にPEが存在する場合についてのみ受けるとされており、国際的課税ルールといえます。
PEには、支店や工場等、事業を行う一定の場所であって、事業の全部もしくは一部を行う場所に加えて、(そのような場所を持たなくても)企業の名で契約を締結する者も該当する(以下、「代理人PE」とします。)とされています(※2)。この場合、源泉地国内の販売契約の名義が企業ではなく代理人である場合は、代理人PEに該当しないことから、企業が源泉地国内の受託者に販売を委託する契約(いわゆる「コミッショネア契約」)を締結し、源泉地国内で受託者が(企業ではなく)受託者の名で販売契約を締結するといった、人為的なPE認定の回避が問題視されていました。
 
 このようなコミッショネア契約による人為的なPE認定の回避に対処するため、OECDのBEPSプロジェクトでは、代理人PEの定義を現状より拡張する行動計画が定められています(※3)
 
 平成30年度の改正はこのBEPS行動計画を受けたものであり、代理人PEの定義が見直されることによりその範囲が拡張されます。すなわち、非居住者等の資産の所有権の移転に関する契約を反復して締結し、又は、契約締結のために反復して主要な役割を果たす者を代理人PEに加えるとされています。
 
(※1) 平成29年12月22日閣議決定。
(※2) OECDモデル租税条約第5条。なお、代理人業を通常業務とする独立代理人は除かれます。
(※3) BEPS行動計画7「恒久的施設(PE)認定の人為的回避の防止」
 
契約書と印紙税の関係について

  印紙税の課税対象文書は、印紙税法別表第一に掲げられている文書に限定されています。しかし、契約書を例にとってもその契約内容や記載方法は千差万別であることから、当該契約書が課税文書に該当するか判断に迷うことが少なくありません。

 収入印紙の不貼付けに対するペナルティー(過怠税)には、本来納付すべき印紙税の3倍の金額が課されます。税務調査の時点で貼付していないことが故意ではない為に、1.1倍の過怠税で済む場合も多いのが実情です。しかし、同種の契約についての契約書の様式は、企業において継続的に利用されることから、当該契約書が課税文書に該当するか否かの判定や、課税文書の所属判定の誤りが大きな影響を与える場合があります。
 
 印紙税法上の「契約書」は、一般的に言われるものよりも範囲が広く、印紙税法基本通達第12条で「『契約書』とは、契約当事者の間において、契約(その予約を含む。)の成立、更改又は内容の変更若しくは補充の事実(中略)を証明する目的で作成される文書」とされています。従って、申込書、注文書、依頼書などと表示された文書であっても、契約の成立等が証明されるものについては、印紙税法上は契約書に該当することになります。
 
 なお、課税文書であってもコピー、ファックスや電子ファイル化したもので、契約当事者の署名若しくは押印又は証明のないものは、基本的には課税対象とはなりません。ただし、契約書を2通以上作成した場合や、契約書に副本、謄本、写しなどと表示して作成した場合には、その契約の成立等が証明されるといえることから印紙の貼付が必要になります。
 
【国際税務教室】 非永住者の送金課税

  所得税法上、居住者(日本国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人)は国内において発生した所得(以下、「国内源泉所得」とします。)だけではなく、国外において発生した所得(以下、「国外源泉所得」とします。)についても課税を受けます。しかし、居住者の中でも、日本に居住する外国人など、日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所又は居所を有する期間の合計が5年以下である個人は、非永住者として区分され、その課税の範囲は  ① 国内源泉所得に加えて、② 国外源泉所得で (ⅰ) 日本国内において支払われたもの、又は(ⅱ) 日本国内に送金されたもの(以下、「非永住者の送金課税」とします。)に限定されています。

 実務上、(ⅱ)非永住者の送金課税の取り扱いについて迷う場合が少なくありません。すなわち、国外源泉所得が存在する非永住者が、国外から日本に向けて送金を行っている場合、当該送金が国外源泉所得の送金か、それとも、国外源泉所得以外の送金かといった、送金される資金の源泉、いわゆる「お金の色」についての検討が必要か否かについて迷うことがあります。

 非永住者の送金課税においては、このような「お金の色」が考慮されることはありません。非永住者の送金課税において、送金された資金は国外源泉所得とのヒモ付けをすることなく課税されます。したがって、国外源泉所得が存在する非永住者が、国外源泉所得とは無関係の過去の貯蓄を送金する場合や、国外源泉所得が発生している国以外の第三国から送金をする場合も、非永住者の送金課税においては課税対象とされる(※)ことに注意が必要です。
 
 (※)課税対象とされる金額は、国外源泉所得の国外払い金額が上限となります。
 
配偶者控除と配偶者特別控除の見直しの影響

  平成30年分以後の所得税につき、配偶者控除及び配偶者特別控除について大幅な改正が行われています。月々の給与等の支払を受ける際に源泉徴収される税額は、配偶者と扶養親族の合計数等に応じて計算されますが、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに伴い、配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法が変更されました。そのため月々の源泉徴収事務と年末調整事務も変わる点に留意する必要があります。

 月々の源泉徴収において控除対象とする配偶者を、従来は「控除対象配偶者」としておりましたが、これが「源泉控除対象配偶者」に改められました。「源泉控除対象配偶者」とは、合計所得金額が900万円(給与所得のみの場合、年収1,120万円)以下の給与所得者と生計を一にする所得が85万円(給与所得のみの場合、年収150万円)以下の配偶者とされます。配偶者の所得制限枠が38万円(給与所得のみの場合、年収103万円)から85万円に拡大する一方で、給与所得者の所得に制限が加えられたことになります。この「源泉控除対象配偶者」については、月々の源泉徴収から年末調整での2段階の対応となります。
 
 一方で合計所得金額が900万円超1,000万円(給与所得のみの場合、年収1,220万円)以下の給与所得者の配偶者で、その合計所得金額が38万円超123万円(給与所得のみの場合、年収201万6千円)以下のもの、又は、合計所得金額が900万円以下の給与所得者の配偶者で、その合計所得金額が85万円超123万円以下のもの、つまり源泉控除対象配偶者以外の配偶者については年末調整で対応して所得控除をすることとなります。