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税理士法人 成和新着情報

消費税率引上げまであと1か月となりました

 令和元年10月1日から、消費税及び地方消費税の税率が8%から10%へ引き上げられ、この税率引上げと同時に消費税の軽減税率制度が実施されます。

 軽減税率については、最終的にその対象が「飲食料品の譲渡、輸入」と「新聞の定期購読契約に基づく譲渡」になりましたが、「飲食料品の譲渡」でも、食品に酒類は含まないとか、外食やケータリングは該当しないなど、その判断や線引きの難しさには各業界から多くの疑問の声が上がっております。

 一方で、経済産業省による「キャッシュレス・消費者還元事業」(ポイント還元事業)も合わせて実施されます。これは、需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点を含め、消費税率引上げ後の一定期間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元・割引を支援する制度です。

 消費者への還元では、消費税率引上げ後、9ヶ月間(~2020年6月30日)において、消費者がキャッシュレス決済手段を用いて中小・小規模の小売店・サービス業者・飲食店等で支払いを行った場合、決済金額の一部を消費者に還元するというもので、その還元率は原則5%、大企業フランチャイズ傘下の中小・小規模事業者の店舗での購買の場合は、還元率が2%というものです。

 先日の新聞では、フランチャイズ傘下に中小・小規模事業者を多く抱えるコンビニ大手3社は、2%の還元を、「その場で値引きする」方針で一致したという報道がなされました。中小・小規模事業者が消費者に還元した分は、事業者は、国からの補助金を後日受け取ることになりますので、「その場で値引きする」場合、その還元分は事業者が立て替えを行うことになります。

 軽減税率の導入に加え、補助金の受け取りなど、実務面では消費税率引上げ後もしばらく混乱が予想されます。

 
【国際税務教室】輸入貨物に係る消費税に適用される税率

  2019年(令和元年)10月1日(以下、「施行日」とします。)より消費税及び地方消費税の税率が10%に引き上げられ、同時に軽減税率制度がスタートします(以下、「新税率」とします)。

 外国から輸入される物品(以下、「輸入品」とします)は、法令により非課税及び免税とされるものを除き、原則として消費税(以下、「輸入消費税」とします)の課税対象とされますが、この場合、どのタイミングの輸入品から新税率が適用されるのでしょうか。

 輸入消費税の納税義務者は輸入品を保税地域から引き取る者(以下、「輸入者」とします)とされます。輸入者が輸入品を保税地域から引き取る場合には、輸入申告と併せて関税や輸入消費税等の申告を税関長に提出し納税を済ませることにより、輸入の許可を受けることが必要となります。その場合、輸入消費税等の申告に際して適用する法令は、原則として「輸入申告の日」において適用される法令によるとされています(※)

 すなわち、輸入申告が2019年(令和元年)9月30日までになされるものには旧税率である8%(以下、「旧税率」とします)が適用され、2019年(令和元年)10月1日以降に申告がなされるものには新税率(10%又は軽減税率)が適用されることが、原則となります。

 したがって、2019年(令和元年)9月30日までに「輸入申告」を行い、2019年(令和元年)10月1日以降に「輸入許可」を受けるなど、「輸入申告の日」と「輸入許可の日」が施行日を跨ぐような場合においては、新税率ではなく旧税率が適用されることになります。

(※)輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第4条 、関税法第五条 

 
令和元年分の路線価等を国税庁が公表

  国税庁は、7月1日、令和元年分の路線価等を公表しました。

 路線価とは、ある地域の路線(道路など)に面した標準的な宅地1㎡あたりの土地評価額のことで、「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2つがあるとされております。

 一般的には、「路線価」といえば「相続税評価」を指すことが多いと思われます(今回の国税局・税務署が決定するものが「相続税路線価」で、各市町村(東京23区内は東京都)が決定するものが「固定資産税路線価」となっております。なお、「固定資産税路線価」は原則として3年ごとに見直しされるものですが、土地の価格が下落した場合には、見直しの年を待たずに下落修正が行われることがあります。)。

 今回の公表資料によると、都道府県庁所在都市の最高路線価の対前年変動率は、33都市で上昇、横ばいが13都市、下落は1都市となっております。ちなみに、岐阜は横ばい、愛知(名古屋)は上昇に該当しております(岐阜、愛知は前年も同様の結果)。

 この「相続税路線価」は、相続税や贈与税の算定基準となる土地評価額で、国土交通省が毎年3月に公表する「公示地価」の8割程度が目安とされております(なお、固定資産税を課す基準となる「固定資産税路線価」は「公示地価」の7割程度とされております)が、いずれもその年の1月1日現在を評価時点としております(公示地価に比べて相続税路線価の公表が遅いのは、公示地価の調査地点に比べ、その調査地点(標準宅地)の数が10倍を上回るためと言われております)。

 土地と言っても、実際に市場で売買される取引価格における過去の平均的な金額を指す「実勢価格」、上記の「相続税路線価」「固定資産税路線価」「公示地価」と様々な価格があり、時にこれを指して「一物四価」と言われております。

 
 
【国際税務教室】 国外で支払われる少額な給与の確定申告

 日本の居住者が国外に所在する外国法人より、二ヶ所目以降の給与(以下、「従たる給与」とします。)の支払を受ける場合も散見されます。このような給与は少額であれば、いわゆる給与所得者の申告不要制度により確定申告をする必要はないのでしょうか。

 給与所得者は、給与等の金額が2,000万円以下であれば、給与の支払者による年末調整事務を通じて所得税の精算がされることから、確定申告は不要とされています。さらに、その場合において、二ヶ所以上から給与の支払を受ける場合や、他の所得がある場合においても、それらが一定の金額(20万円)以下の場合には、確定申告は不要とされています(以下、「給与所得者の申告不要制度」とします)(※1)。このことから、国外に所在する外国法人から日本の居住者に支給される従たる給与についても、その金額が一定の金額を超えないような少額の場合には、給与所得者の申告不要制度により、申告の必要がないものと考えがちです。

 しかし、二ヶ所以上から給与の支払を受ける場合において、給与所得者の申告不要制度が適用されるのは、それら給与の全てが、所得税の源泉徴収が行われる給与の場合に限られます(※2)。したがって、所得税の源泉徴収の規定が適用されない給与等の支払を受ける場合には、当該制度の適用は受けられません。国外において支払われる給与の場合、わが国の所得税の源泉徴収の規定は適用されません。したがって、このような給与等の支払を受ける場合には、当該給与が一定の金額以下であっても、給与所得者の申告不要制度の適用はなく、確定申告が必要となることから注意が必要です。(※1)所得税法121条。(※2)所得税基本通達121-5

 
平成30年度査察の概要を国税庁が公表

  国税庁は、先般、平成30年度査察の概要を発表しました。国税庁の事務年度は7月から6月ですが、査察の年度は4月から3月とされておりますので、毎年この時期に前年度分の概要が公表されます(一般の税務調査分は、毎年12月に概要が公表されます)。

 発表資料によると、平成30年度の査察の着手件数は全国で166件(内、名古屋国税局管内(以下、「名」に省略)は20件)、処理件数は182件(内、名21件)、検察庁に告発した件数は121件(内、名17件)で、告発率は66.5%(内、名81.0%)でした。名古屋国税局管内では、1ヶ月に1件強、査察調査が行われていることになります。

 脱税総額(告発分)は約112億円(内、名17億円)で、告発した査察事案で多かった業種は、建設業、不動産業、人材派遣業(名は、人材派遣業、小売業、建設業)の順でした。1件あたりの平均脱税額は、約1億円という計算になります。

 また、平成30年度中に一審判決が言い渡された件数は122件(内、名12件)で、全てに有罪判決が下されております。

 査察調査は、特に大口・悪質な脱税をした者に対して、税金を納めさせるだけでなく、懲役又は罰金という刑罰を科すことを目的として行われますので、一般的な税務調査とは大きく異なります(強制調査と任意調査の違い)。査察については、1987年公開の日本映画「マルサの女」が有名ですが、その影響も大きいせいか、一般の方には「税務署=マルサ」という印象を持たれている方も少なくありません。

 なお、近年では、査察の重点事案として消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をその対象としています。