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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】平成27年度改正「トリガー税率」引き下げの検討

タックスヘイブン(※1)に子会社を設立し、日本親会社の税負担を不当に軽減させるといった租税回避を防止する制度がタックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)です。

当該制度は、一定の税負担の水準以下の外国子会社の所得を日本親会社の所得とみなして、それらを合算して課税を行うものです。この場合の「一定の税負担の水準」は一般的に「トリガー(銃の引き金)税率」と呼ばれており、現行制度では「20%以下」とされています。諸外国の法人税率を見ると、タイ20%(2013年1月~)、イギリス20%(2015年4月~)、ベトナム20%(2016年1月~)といったように、世界的に税率引き下げの傾向が拡大していることから、現行の「トリガー税率」では、これらの国に所在する外国子会社が対象となり得ることになります。

一方、当該制度では、トリガー税率以下の税負担となっている外国子会社であっても、「適用除外基準」(※2)をすべて満たす場合には合算の対象とされません(※3)。しかし、その場合においても外国子会社は、これら「適用除外基準」をすべて満たしているか否かについて確認をする必要が生じ、事務負担が増大することになります。

このような状況を踏まえ、平成27年度税制改正では、トリガー税率を「20%未満」に引き下げるといった法案が提出されており、事務負担増大の見直しが図られます(※4)

(※1)tax haven:「税の回避地」とも呼ばれる、税負担の著しく低い国のことを指します。

(※2)①事業基準、②実体基準、③管理支配基準、④所在地国基準または非関連者基準の四つの基準を指します。

(※3)資産運用的な所得は合算課税の対象とされます。

(※4)平成27年4月1日以後に開始する事業年度に適用される予定です。

 
国税庁 美術品等の減価償却資産の判定について 改正通達公表
~経過措置により過去に取得した20万円以上100万円未満の美術等の償却が可能に~
 
 国税庁は、法人税基本通達7-1-1(書画、骨とう等)に定める減価しない美術品等の範囲について、取得価額20万円以上から100万円以上へと引き上げる見直し案をバブリックコメントとして発表していましたが、12月25日これを受けて改正通達が公表されました。
 
1 改正の背景
 
 会社が取得した絵画や置物等について、税務上における減価償却資産の判定基準は従来通達7-1-1(書画骨とう等)により明らかにされていました。
 
 古美術等歴史的価値や希少価値があるもの除き
 
  ①、美術関係の年鑑等に登録されているかどうか
    登録されていれば   非減価償却資産
  ②、上記1で登録されておらず、かつ、1点20万円
    (絵画は号2万円)以上かどうか
    以上であれば   非減価償却資産
 
 この判定について法令解釈通達の発遺後30年余を経過し、美術品等の多様化や経済状況の変化等により、この基準に基づいて減価償却できる美術品の範囲がその取引実態と乖離してきたと考えられるため、見直しされたものです。
 
2 改正の内容
 
  ①、年鑑登録基準(著名な作家であっても美術年鑑等に
    登録されていない者も多くいる等)の廃止
 
  ②、新鋭作家のデビュー作が1点60万円~80万円で取引きされる
    実態があることや、市場による一定の評価を得ることができる
    作者かどうかは一般に作品の価格が100万円を超えるかどうか
    で評価することができるといった専門家の意見等を踏まえ、
    取得基準を100万円未満に引きあげる。

    号2万円基準も廃止する。絵の価格は絵画の大きさに応じて決まる
    ものではないから他の美術品と同様、1点100万円未満かどうかで
    判断する。
 
3 経過的取扱い…改正通達の適用時期
 
 パブコメにおける法人税基本通達の改正案では、
 平成27年1月1日以後に開始する事業年度において法人の有する
美術品等について適用することとされていました。
 
 修正案は次のようになりました。
 
 平成27年1月1日以後に取得をする美術品等について適用し、同日前に取得をした美術品等につては、なお従前の例による。
 
 ただし改正通達の適用開始前に取得した資産が減価償却資産に当たれば適用初年度に改正通達の適用があることが明記されました。
 
 また、中小企業者の30万円未満の減価償却の特例(措法67-5)についての適用関係も示されている。
 
    「法人税基本通等の一部改正について」
    (法令解釈通達)javascript:void(0);/*1420422068152*/
 
    「所得税基本通達の制定について」の一部改正について
    (法令解釈通達)javascript:void(0);/*1420422103174*/
 
【国際税務教室】平成27年度改正「出国税」(Exit Tax)創設の検討

平成27年度の税制改正大綱の閣議決定に向けて、政府税制調査会において税制改正の審議が進められています。これら審議の中で国際課税に関するものとしては、いわゆる「出国税」(Exit Tax)の導入が検討されています。「出国税」とは一体どのような税なのでしょうか。

租税条約上、株式等の売却益(以下、「キャピタルゲイン」とします)は売却した者が居住している国に課税権があるものとされています。したがって、例えば巨額の含み益を有する株式を保有したまま、シンガポールや香港、スイスなどといったキャピタルゲインに対して課税をしない国に出国し、その後に株式等を売却した場合には、税負担の回避が可能となります。こうした税負担の回避に対抗するために講じられる制度が、いわゆる「出国税」であり、当該制度では出国時において未実現のキャピタルゲイン(含み益)に特例的に課税を行う措置が取られます。

先進諸国においてはこのような「出国税」を導入している国が多く(※)、政府税制調査会において、日本でも行うべきではないかという問題提示がなされ審議が行われています。

  財務省の説明からすると平成27年度(2015年度)からの実施を目指すとされておりますが、課税対象とされる資産規模はいくらなのか、一定の資産規模を超えた場合には(株式等資産を譲渡する予定の有無とは無関係に)一律に出国時に課税されるのかなど、制度の詳細については、今後明らかにされることになります。税制調査会の議論の推移が注目されます。

  (※)導入している国の例としてはアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、オランダ、スペイン、スウェーデン等々(税制調査会資料 平26.10.21[5-5]説明資料より)  

 
【国際税務教室】手取契約とグロスアップ

非居住者および外国法人に、使用料や利子といった源泉徴収の対象となる支払(※1)を行う場合には所得税の源泉徴収を行う必要があります(※2)。日本国内の取引先との契約では、取引金額は総額とする契約が一般的であるのに対して、海外の取引先と契約をする場合には、契約金額を税引後の手取額とする、いわゆる「手取契約」の締結が一般的といえます。手取契約を締結し契約金額の支払をする際、源泉徴収税額はどのように計算するのでしょうか。

そのような場合には、支払額となる税引手取金額を税込金額に逆算し、その逆算した金額を源泉徴収の対象となる支払額として源泉徴収税額を計算する(※3)必要があります。このような「税引後の金額から税引前の金額を逆算する計算」は、一般的に「グロスアップ」と呼ばれておりますが、実務上は何%の税率にてグロスアップを行うかという点について注意が必要です。たとえば、外国法人に源泉徴収の対象となる使用料を払う場合、所得税法上の20%の税率が適用される場合と、当該外国法人の所在国との間に租税条約が締結されており税率が10%に制限されている場合では、グロスアップする税率が異なることから源泉徴収税額も異なることになります。このように、手取契約についてグロスアップを行い源泉徴収税額を計算する場合、租税条約の締結の有無、それによる制限税率の適用について留意が必要となります。

  (※1)所得税法第212条(※2)平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間は、所得税率に対して2.1%の復興特別所得税の源泉徴収が必要となる場合があります。(※3)所得税法基本通達181-223共-4

 
今後の税制改正スケジュール あれこれ

今後の所得税・消費税・相続税・贈与税等の重要制度改正スケジュールを見てみる。

H27年1月より
 相続税:基礎控除引き下げ、税率構造見直し、最高税率引き上げ
 相続税:未成年者控除、障害者控除引き上げ
 相続税:小規模宅地等の課税価格の計算特例の適用対象面積拡大
 贈与税:直系尊属からの特定贈与制度の創設
      税率構造見直し、最高税率引き上げ
      相続時精算課税制度適用要件緩和
 所得税:相続財産を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例
      (取得費加算)の見直し
 所得税:税率構造見直し、最高税率引き上げ
H27年4月
 消費税:簡易課税制度の不動産業のみなし仕入れ率の見直し
H28年1月
 所得税:給与所得控除上限の段階的見直し
 マイナンバー:制度スタート
 
相続税
平成27年1月より相続税の基礎控除引き下げにより、課税最低限が引き下げられます。
相続税の節税対策が必要かどうか?についてですが、
まず、平成27年度に相続が発生したらすべての税法上の特例を使ってどれだけの納税資金が必要か?支払可能か?見極めることが大切です。特に小規模宅地の評価減等最大に利用できるように検討する。
国税庁HPにおいて「相続税のあらまし(27年分用)」
javascript:void(0);/*1416559379658*/
及び「相続税の申告要否の簡易判定シート」
javascript:void(0);/*1416559454741*/がこのほど公表されました。
 
中長期的には、生前贈与も有効です。特に相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算され節税対策にならないと考えておられる方があります。相続財産に加算されるのは、相続により財産を取得する人のみです。被相続人と養子縁組をしていない相続人の妻、子供(被相続人の孫)等も有効です。また、相続財産と取得しても加算の対象にならない贈与①配偶者への居住用不動産の贈与、②教育資金贈与、③住宅取得資金の贈与
 
「配偶者控除」の見直し
政府税制調査会は11月7日総会を開き、配偶者控除の見直しに関する新たに5つ案を提示し継続審議となりました。
 ①配偶者控除の廃止
 ②配偶者控除適用への所得制限設定
 ③配偶者の基礎控除を納税者に移転する仕組み
  (移転的基礎控除)の導入
 ④移転的基礎控除の導入・税額控除化する
 ⑤「夫婦世帯」を対象とする新たな控除の導入
「マイナンバー」制度の準備も進んでいます
マイナンバー制度導入による本人確認基盤が整い、より正確な所得把握が可能になります。
平成28年1月より番号の利用開始、申告書、法定調書等への
「個人番号」「法人番号」の記載が必要になります。
国税庁HPの番号制度サイトでは、「よくある質問(FAQ)」
「税務関係書類への番号記載時期」が公表されました。