このページではJavaScriptを使用しています。

国内・国際税務、農業の会計・税務コンサルティングを行う税理士法人 成和。

 

HOME > 税理士法人 成和新着情報

  • 成和グループ各社
  • 税理士法人 成和
  • 成和ビジネスコンサルティング
  • 上海成和ビジネスコンサルティング
  • ベトナム成和ビジネスマネジメント

税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】 海外赴任者に係る源泉徴収票の作成

  海外赴任する従業員や、海外赴任を終え帰国した従業員に係る源泉徴収票を作成する場合、どこまでの給与を対象として作成するかについて、迷う場合も少なくありません。

 国内において給与の支払をする者(以下、「源泉徴収義務者」とします)には、その年中に支払の確定した給与について、給与所得の源泉徴収票(以下、「源泉徴収票」とします)の作成が義務付けられています(※1)。海外赴任する従業員には、赴任後も日本の親会社等からの給与(以下「日本払い給与」とします)が継続して支払われることが一般的といえます。源泉徴収票の作成に際して、このような日本払い給与も対象とする必要があるのでしょうか。

 源泉徴収票の作成は、居住者に対し日本国内において給与の支払をする場合に限定して義務付けされており(※1)、非居住者に対し支払う給与については義務付けされていません(※2)

 したがって、海外赴任者が非居住者に該当する場合、日本払い給与は源泉徴収票の作成の対象となりません。このことから、海外赴任により非居住者とされる従業員の源泉徴収の作成についてみれば、海外赴任をする年においては、年初から非居住者となる時(出国の時)までに支給期の到来する給与について源泉徴収票を作成し、海外赴任を終え帰国する年には、居住者となった時(帰国の時)から年末までに支給期の到来する給与について源泉徴収票を作成します。

(※1)所法226条1項 (※2)源泉徴収票の作成義務はないものの、非居住者に対して国内源泉所得に該当する給与等の支払が50万円を超える場合には、「非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書」を作成し、税務署に提出する必要があります(所法225条1項8号)。

 
 
【国際税務教室】 海外赴任中の在籍出向者への退職金と源泉徴収

 海外の子会社へ在籍出向している社員が、定年を迎える年齢になったことにより、日本の親会社から退職金を支給するケースもみられます。そのような場合、日本親会社の源泉徴収義務に注意が必要です。

 所得税法上、退職所得は、退職所得控除額を控除した残額の半額を課税標準とし、累進税率を平準化する必要性から他の所得と分離して課税されるなど、税負担が軽くなるように配慮されています。退職金の支払時には所得税の源泉徴収が必要となりますが、当該源泉徴収税額も、原則的にはそれら税負担が軽減された金額に即した額となります。

 しかし、非居住者に対する退職金の支払に関しては、原則的な取り扱いと異なる取り扱いとなっています。すなわち、非居住者への退職金の支払についてみれば、退職金の中の国内源泉所得とされる金額(国内勤務期間に対応する金額とされ、国外勤務期間に該当する部分は除外されます)に対して20.42%(復興特別所得税含)の源泉徴収が必要となります。

 この場合、非居住者の退職金に係る源泉徴収税額は、居住者として退職金を受け取った場合に比べて相対的に大きな金額となります。この税負担の調整を図るため、非居住者として退職金を受けた者は、自らの選択によって確定申告により居住者と同様の税額計算を行うことが認められています(以下、「退職所得の選択課税」とします)。したがって、非居住者として退職金を受けた者において、居住者として退職所得の計算を行った税額が源泉徴収税額と比較して少額となる場合には、退職所得の選択課税を行うことにより、差額分の還付を受けることができます。

 
 
転売防止、原則先払いに(免税点制度の不適切適用防止)

  令和5年5月22日、政府が訪日客の土産品に対する免税制度を抜本的に見直す検討に入ったと報道されました。以前より問題視されていた「一部の訪日客が、転売目的で免税品の大量購入をし、出国前に転売することで、免税分の利益を不正に得るという問題」に待ったをかける議論になりそうです(財務省発表によると、22年度に税関検査で徴収対象となった消費税額22億円の9割以上が徴収できていない)

 そもそも輸出物品販売所における輸出免税とは、訪日客が一般的な土産を購入する場合に限り日本の消費税を課税しない(購入しやすくする)という制度で、付加価値税を採用している諸外国においても、同様の制度が存在しています。

 わが国は、一定の要件を満たす購入であれば免税とする「免税方式」を採用しているが、欧州をはじめとする諸外国では、購入時には課税であるが、出国時に税関の承認を受け、事後に還付請求をするという「還付方式」を採用しています。

 今回の議論の方向性であるが、これまでの「免税方式」から「還付方式」へシフトする内容で、購入量が少ないなど明らかに転売目的ではない訪日客に限り、例外的に既存の「免税方式」を利用できるようにした上で、年末までに税制改正の詳細を詰め、早ければ2024年度から実施すると報じられています。

 コロナによる行動制限が廃止され、インバウンド・アウトバウンドが増えることが予想される今日において、この議論の意義は大きいものと考えられます。

 
 
【国際税務教室】 外国資本により新設される法人の消費税の納税義務

 外国法人が日本に子会社を設立するといったケースも見受けられます。その場合、新設された日本法人の消費税の納税義務に注意が必要です。

 消費税法上、新設法人は基準期間がないことから、資本金が1,000万円未満の場合、原則として消費税の納税義務が免除されます(以下、「事業者免税点制度」とします)(※1)。親会社の外国法人はある程度の規模であったとしても、新規に設立される子会社の資本金は1,000万円未満というケースも見られます。そのような場合、事業者免税点制度は適用されるのでしょうか。

 消費税法上、新設法人の資本金の額が1,000万円未満であっても、①発行済み株式の50%超を他の者に保有されているなどの場合において、②当該他の者及び当該他の者と一定の特殊な関係にある法人(以下、「他の者等」とします)のうち、いずれかの者の課税売上高(※2)が5億円を超える場合には、事業者免税点制度の適用はできないといった特例(※3)が設けられています。この場合の他の者等は居住者や内国法人に限定されていないことから、外国法人も該当します。したがって、外国の親会社をはじめグループ内の法人の課税売上高が5億円を超える場合、新規設立法人は事業者免税点制度の適用を受けられません。このように、外国法人により新規に設立される日本子会社の消費税の納税義務を判断する場合には、グループ内の法人について、日本国内における課税売上高の確認が必要です。電気通信利用役務の提供など、日本に拠点がなくとも課税売上高が発生している場合もあることから注意が必要です。(※1)消法9条1項 (※2)新設法人のその事業年度の基準期間に相当する期間の課税売上高 (※3)消法12の3条1項

 
 
「インボイスの登録通知書」を紛失してしまったら・・・

  令和5年10月よりインボイス制度が開始されますが、法人や事業者の方は登録を済まされたでしょうか?(令和5年10月1日より登録を受けようとする場合、当初は令和5年3月31日までに登録申請書を提出する必要がありましたが、現在は緩和され、令和5年9月30日までの提出でよいとされております)

 この申請書を提出すると、登録通知書が送付され番号を通知されます。制度開始に向け適格請求書等の準備に通知書に記載された番号が必要になるだけでなく、取引先にも番号を伝える必要がある場合にも番号が必要になるため、この書類は大変重要なものになります。

 これをもし紛失してしまったら、どうすればよいのでしょうか?

 法人の場合には、国税局法人番号検索サイトに事業者情報を入力して調べられます。

 しかし、個人の場合には簡単ではありません(個人情報保護の観点から、国税局法人番号検索サイトからは、番号からの検索しかできないからです)

 個人の場合には、全国に12ヶ所ある国税局インボイス登録センターに電話で問い合わせることで、口頭で番号を教えてもらうことができます。

 通知書の再発行は原則行われていないのですが、取引先から通知書のコピーの提示を求められることもありますので、その場合、再交付申請書に身分証明書を添えて再申請が必要になります。

 個人の場合は、いずれの場合も手続きが面倒なので紛失には注意したいですね。