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税理士法人 成和新着情報

配偶者居住権の相続税法上の取扱い

 民法改正により、配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は、遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することができるようになります。また、被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることもできます。この改正は2020年4月1日に施行されますが、配偶者居住権の創設に伴い、相続税における配偶者居住権等の評価方法等が、以下の通り規定されました。なお、配偶者短期居住権(相続開始時から少なくとも6か月間は自宅に無償で済み続けられる権利)も民法改正により創設されましたが、こちらは相続税の課税対象としないとされています。

 ⑴配偶者居住権
  建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-配偶者居住権の
  存続年数)/残存耐用年数×配偶者居住権の存続年数に応じ
  た民法の法定利率による複利現価率
 
 ⑵配偶者居住権が設定された建物
  建物の時価-配偶者居住権の価額
 
 ⑶配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利
  土地等の時価-土地等の時価×配偶者居住権の存続年数に応じた
  民法の法定利率による複利現価率
 
 ⑷居住建物の敷地
  土地等の時価-敷地の利用に関する権利の価額
 
契約更新に伴う消費税の経過措置

 消費税率引上げに関する経過措置のうち資産の貸付けに係る経過措置等について、指定日(2019年4月1日)の前日までに締結した契約に基づき行われる一定の取引等につき、施行日(2019年10月1日)以後も旧税率8%を適用するとされています。

 取引においては契約期間をあらかじめ定め、顧客から解約の申し出がない限り取引が自動更新され、サービスの提供が継続するものがあります。これらの取引について、消費税の経過措置の適用判定上、自動更新は原契約に基づく取引の一時点に過ぎず、原契約による契約日をもって、経過措置の判断をする向きがあります。
 
 しかし、国税庁が公表している経過措置Q&A具体的事例編の問27では、「自動継続条項のある賃貸借契約で、例えば、解約する場合は貸付期間満了時の〇月前までに申し出ることとされている場合、解約申出期限を経過したときに当事者間の合意、すなわち新たな契約の締結があったものと考えるのが相当」としています。つまり、自動更新による継続取引の場合、解約申出期限を経過した都度、新たに契約の結び直しが行われたものとして取り扱われます。
 
 したがって、指定日の前日までに解約申出期限が経過して自動継続された契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続きサービスの提供を行う場合には、経過措置が適用されます。しかし、指定日以後に解約申出期限が経過して自動継続された場合には、その自動継続後のサービス提供については、経過措置が適用されないため、施行日以後のサービス提供については新税率10%となることに注意が必要です。
 
 
【国際税務教室】 非永住者の期間の計算

 租税においては、納税者と国家とのつながりの強弱により納税義務の範囲が異なります。所得税法において、国家とのつながりが中程度とされる非永住者の課税の範囲は、国内源泉所得に加えて、国外源泉所得で国内において支払われまたは国外から送金をされたものとされます。国家とのつながりは、居住地や滞在日数、国籍等ではかられますが、非永住者について見れば、「居住者(国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する者)」で「日本国籍を有しておらず、かつ過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人」とされます。この場合の期間は、具体的にどのように計算されるのでしょうか。

 「過去10年以内」とは、判定を行う日の10年前の同日から判定を行う日の前日までの間のことを指し(※1)、「国内に住所又は居所を有していた期間」は「歴に従って計算し、ひと月に満たない期間は日をもって計算する」こと(以下、「歴に従った計算」とします。)とされます。したがって、計算に際しては、きりが良いところまでは年、月の単位でカウントを行い、ひと月に満たない場合には日数によりカウントを行うことになります。また、入出国を繰り返すなど、「過去10年以内」の間に「国内に住所又は居所を有していた期間」が複数存在する場合には、「歴に従った計算」による年、月、日数をそれぞれ合計し、日数は30日をもってひと月とし、月数は12ヶ月をもって一年として計算し(※2)、判定を行うことになります。
(※1)所得税基本通達2-4の2。
(※2)所得税基本通達2-4の3、なお、この場合における期間の計算は、初日不算入の原則(国税通則法10条1項)に従い、入国の日翌日から出国の日までとなります。
 
法人向け保険商品の見直し

 各生命保険会社は、国税庁が法人向け保険商品に対する課税の取り扱いを見直す方針を受け、法人向け保険商品の一部について、販売を一時停止することを決定しました。販売停止となった法人向け保険商品は、支払時は保険料の全額が損金算入され、中途解約すると保険料の大部分が解約返戻金として戻ってくる、いわゆる「節税保険」と言われるものです。見直しの背景には、保険本来の相互扶助の趣旨に反し、節税のメリットを過度に強調した保険商品が販売されていることが挙げられます。過去には、2006年に長期損害保険が全額損金から一部損金に改正、2008年に逓増定期保険が全額損金から一部損金に改正され、直近では2012年に、がん保険が全額損金から一部損金に改正された経緯があります。

 信義則の観点から、既に払い済みの保険料部分については、遡及して取り扱いが変わることはないと考えられます。しかし、契約済みの全損タイプの保険商品でも、改正内容によってはその影響を受ける可能性があります。それは改正後の保険契約から適用ではなく、改正後の支払保険料から適用とした場合には、既存契約でも改正の影響を受けることとなります。
 
 いずれにせよ、国税庁は今後パブリックコメントを実施したのちに、法人向け保険商品の課税の取り扱いに関する通達を出す予定です。少なくともピーク時の解約返戻率が50%を超える保険商品については、保険料の全額を損金不可とするという案が、国税庁と各生命保険会社の間で協議されていることから、これらの商品について、何らかの見直しが行われることが予想されます。
 
【国際税務教室】 非居住者の確定申告における所得控除の範囲

 所得税法上、海外勤務等により非居住者とされる者においても、日本国内で生じた所得は課税の対象となります。所得税法においては、課税の方式として、自ら申告と納税を行う申告納税方式と源泉徴収のみで課税関係が完結する源泉分離課税方式が採用されています。非居住者の課税方式は一般的に源泉分離課税方式とされますが、非居住者が不動産の貸付を行っている場合など、一定の場合には源泉分離課税ではなく申告納税方式によるものとされます。申告納税方式による場合には、非居住者であっても確定申告を行うことが必要となります。その場合、適用を受ける所得控除について迷う場合も少なくありません。

 非居住者が確定申告をする場合に適用ができる所得控除は、雑損控除(国内にある資産について生じた損失のみが対象とされます)、寄付金控除、基礎控除の三つに限定されています。しかし、非居住者のなかには年の途中で海外赴任をするなど、一年間の中に居住者期間と非居住者期間との両方を有する者もみられます。そのような非居住者の確定申告は、居住者の期間に生じた所得と非居住者の期間に生じた所得を合計して行うことになります(※)が、その場合には、居住者の期間に支払った医療費や社会保険料、生命保険料等の居住者期間の所得控除の額が控除の対象となります。また、扶養控除等の人的控除については、「納税管理人の届け出」を提出している場合にはその年の12月31日の現況で、届け出の提出がない場合には非居住者となった時の現況により判定をすることになります。
(※)非居住者となるまでの間に生じた所得についての確定申告の提出期限は、「納税管理人の届け出」の提出の有無により異なります。