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税理士法人 成和新着情報

税制改正議論の本格化

  自民党の税制改正調査会は、来年度の税制改正に向けて、9月に会長に就任した甘利明元経済再生担当大臣を中心に関係省庁や経済界、地方自治体との議論を本格化させています。

 令和元年の今年は、例年どおり12月の中旬には、連立を組む公明党とともに与党税制改正大綱を発表する予定と言われておりますが、新聞紙上では、企業の内部留保を投資に回す環境を整えるための税制上の優遇措置や、公明党が求めている未婚のひとり親に対する所得税の軽減措置などが焦点とされています。

 消費税が10月から10%へと増税された中で、来年度は一体どのような増税もしくは減税が行われることになるでしょうか。

 一方で、この時期、給与所得者の方々は勤務先等で年末調整が行われています。

 給与所得者の方々への増税は既に実施されており、サラリーマンの必要経費と言われる給与所得控除額は2013年分から徐々に縮小されてきております。また、2020年からは、給与所得控除額が一律に10万円引き下げられる代わりに、基礎控除額が10万円引き上げられるということが平成30年度税制改正で既に決定済みとなっています。一見すると特に変動がないように思われますが、給与所得控除の上限額が220万円から195万円に引き下げられるとともに、その対象者となる方も、今年までの給与収入1000万円の方から850万円の方へ引き下げられますので、今までよりも多くの方々が所得税負担が増えることになります。

 なお、配偶者控除や配偶者特別控除についても年々計算が複雑になっていますので、会社への申告の際は、後日修正を求められないよう十分にご注意下さい。

 
 
【国際税務教室】 国際連帯税とは(グローバルタックスの一形態)

  初回の要望(平成22年度)から11年目となる今年も、外務省から「国際連帯税(国際貢献税)」の創設を望む税制改正要望が出されています。国際連帯税とはどのようなものでしょうか。

 国際社会では、各国・地域間格差の存在や5歳未満児の死亡率等、残された課題が指摘されています(※1)。従来、このような地球的規模の課題に対処するための資金は、各国の政府開発援助(ODA)により賄われてきました。しかし、そのような伝統的ODAのみでは十分な資金量とはならないという認識から、国際連帯税という革新的なメカニズムが提唱されています。

 従来から、グローバリゼーションの受益者である経済主体の国境を越えた活動に課税するといった、グローバルタックスという考え方(※2)が存在していました。国際連帯税はその一つの形態といえ、グローバルな課題に国際社会が協働して対応するため、国際航空、国際金融取引、国際電子商取引といった国際取引に課税を行い、その税収の一部もしくは全部を「地球的規模課題を扱う国際機関等」へ拠出するシステムとされます(※3)

 国際連帯税は2002年の国連開発資金会議(モンテレイ)での議論をもとに、航空券連帯税として2006年にフランスで導入されたのを皮切りに、韓国等複数の国で導入され、UNITAID(ユニットエイド:国際医薬品購入機関)(※4)へ資金拠出されています。また、国際金融取引に課税を行うといった金融取引税(FTT:Financial Transaction Tax)の導入にも、各国の関心が注がれています。

(※1)「ミレニアム開発目標報告書2015」国連、(※2)1970年代に提唱された「トビー税構想」、(※3)グローバル連帯税フォーラムHPより、(※4)途上国の3大感染症治療のための医薬品や診断薬を購入する機関。

 
台風被害による所得税の軽減制度

 今年の10月は、各地で甚大な被害をもたらした台風が日本列島を多く通過しました。そこで、もしもの時のために、被災時に知っておいて頂きたい制度を2つご紹介いたします。

 今回のような水災や竜巻、あるいは地震などの災害により被災した場合、確定申告をすると、税金の軽減や免除を受けることができます。具体的には、「災害減免法による所得税の軽減免除」と「雑損控除」という制度です。

 「災害減免法による所得税の軽減免除」は、災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などにより補填される金額を除きます)がその時価の2分の1以上で、かつ災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下のときにおいて、被災された方の所得金額に応じて、所得税が軽減又は免除されるというものです。

 「雑損控除」は、住宅や家財、車両などの生活に必要な資産の損害金額と災害関連支出に対して控除されます。具体的には、次の2つのうち、いずれか多い方の金額です。

 ① (差引損失額※)-(総所得金額等)×10%

 ② (差引損失額のうち災害関連支出の金額※)-5万円

 ※差引損失額とは、「損害金額+住宅、家財などを取り壊し又は除去するために支出した金額―保険金」、災害関連支出の金額とは、災害により滅失した住宅、家財などを取り壊し又は除去するために支出した金額です。

 この2つの制度は、どちらか一方を選択することになります。詳しくは、最寄りの税務署や国税局電話相談センターへお問合せ下さい。また、最近ではYouTubeの動画でも各手続きや計算方法について国税庁が作成、公開しており、大変分かりやすくなっておりますので一度ご覧ください。

 

 
【国際税務教室】 臨時免税店制度(臨時販売場制度)の創設

  2019年(令和元年)の税制改正において「臨時免税店制度」(以下、「臨時販売場制度」とします。)が創設され、7月1日より適用が開始されています。「免税店」とは、消費税法8条に定める「輸出物品販売場」のことであり、外国人旅行者等の非居住者に対して特定の物品を一定の方法で販売する場合に、消費税を免除して販売できる店舗のことです。輸出物品販売場制度については、訪日外国人の増加を背景に、この数年間に制度を拡充する大きな改正が続いて行われておりますが、今回の改正もその流れを汲むものといえます。

 この度創設された臨時販売場制度は、地域のお祭りや商店街のイベント等に出店する場合において、免税販売を行いたいというニーズや、多数の外国人旅行者の参加が見込まれるオリンピック・パラリンピックの開催を控えており、イベント等に出店する場合において免税販売を可能とする環境整備が必要という要望に対応するものです。

 臨時販売場は、7ヶ月以内の期間を定めて設置される販売場に限られますが、制度の概要を見れば、①既に、輸出物品販売場の承認を受けている事業者が、②臨時販売場を設置する日の前日までに所轄税務署長に「臨時販売場設置届出書」を提出することにより、当該臨時販売場を輸出物品販売場とみなして免税店販売を行うことができるものとなります。

 2012年の4,000店舗程度から、現在、約50,000店舗と、増加の一途をたどる輸出物品販売場ですが、地方における増加率が高いことが特長的です。地域の特産物を外国人観光客へ販売する機会の拡大という視点から、地域のお祭りやイベントでの利用が期待されています。

 
いよいよ消費税率の引き上げがスタートしました

  9月には様々なメディアでも取り上げられたため、各情報を目にした方も多いかもしれませんが、いよいよ10月1日から、消費税及び地方消費税の税率が10%へ引き上げられ、同時に消費税の軽減税率制度がスタートしました。

 今回は、消費税率の引き上げに合わせて実施される経済産業省による「キャッシュレス・消費者還元事業」(ポイント還元事業)について概要をご紹介致します。この事業は、需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点を含め、消費税率引上げ後の一定期間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元・割引を支援する制度です。

 中小・小規模事業者の定義は、その業種により、資本金の額や従業員数の基準が異なりますが、9月26日付けの中小企業庁の公開資料では、10月1日から開始できる加盟店は約50万店、加盟店登録申請数では9月25日時点で約73万店とされています。

 「キャッシュレス決済」とは、クレジットカード、デビッドカード、電子マネー、QRコードなど、一般的な購買に繰り返し利用できる電子的決済手段をいいますが、金融機関、保険医療機関や学校などの事業者は補助の対象外とされており、自動車(新車・中古車)の販売や新築住宅の販売などは補助の対象外の取引とされています。

 ポイント還元事業では、一般の中小・小規模事業者は消費者還元5%、フランチャイズ等の場合は消費者還元2%とされておりますが、そのポイント還元方法も、通常のポイント還元と値引き(即時還元)の2種類があり、各事業者や支払い方法によってその取扱いが異なるため複雑です。

 なお、このポイント還元事業は、9ヶ月間(~2020年6月30日)ですので注意が必要です。