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税理士法人 成和新着情報

家賃支援給付金はいつ収入に計上するの?

 新型コロナに伴う給付金等が課税されるのかどうかについては前回取り上げましたが、今回は、それらが課税されるのであればどの時点の収入になるのかを取り上げたいと思います。

 給付金等の収益計上時期について、法人税基本通達2-1-42に「法人の支出する休業手当、賃金等を補填するために雇用保険法等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業等の事実があった日の属する事業年度終了の日・・・益金の額に算入するものとする」という一文があります。

 雇用調整助成金がこれに当てはまり、雇用調整助成金を申請した場合、その給付の原因となった経費に対応して収入に計上することになります。

 一方、家賃支援給付金も確かに「法人の支出する家賃」を補填するためのものであるが、雇用保険法等に規定により交付を受けるものでないため、2-1-42によらず、家賃支援給付金を申請した場合、その給付金の支給額の決定があった日の収入に計上されるものとされます(法人税基本通達2-1-42注、10-2-1注)

 つまり、新型コロナに伴う給付金等のうち、雇用調整助成金だけが補填された経費に対応させて収入に計上する必要があるのに対し、その他の給付金等(持続化給付金・家賃支援給付金等・休業協力金等)は、その支給額の決定があった日の収入に計上することとなるため、これら給付金等を申請し、未入金のまま決算を迎える場合、給付金等が異なるごとに取り扱いが異なるため、注意が必要です。  

 
【国際税務教室】 外国人の在留資格と相続税の納税義務

  わが国の相続税についてみれば、国内に住所(生活の本拠)がある者は、原則として全世界の財産に対して納税義務を負うものとされます。しかし、そのような原則論からすれば、一時的に日本に在留する外国人に相続が発生した場合、日本国内にある財産のみならず国外財産に対しても、わが国の相続税が課税されることになります。このような点が問題視され、平成29年度の税制改正により、納税義務を緩和する改正が行われています。すなわち、相続が発生したときに、日本に住所がある者であっても、その者が出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」とします)別表第1の上欄の在留資格で日本に滞在している場合であって、その他の一定の要件を満たす場合には、日本国内にある財産のみが課税の対象とされ、国外財産は課税の対象外とされています(以下、「制限納税義務者」とします)

 わが国に在留する外国人は、入管法別表第1(経営・管理、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、等々、就労に制限が設けられている資格)又は、別表第2(永住者、日本人・永住者の配偶者、日系3世等、就労に制限がない資格)に定められた在留資格を得る必要があります。その場合、別表第1と別表第2のいずれの資格も保有することができる外国人であっても、ひとつの在留資格のみしか持つことができないことから、いずれかを選択することになります。就労の視点からすれば、制限がない別表第2の在留資格が選択肢となり得ますが、他方、相続税の納税義務の視点からすれば、別表第1の在留資格には制限納税義務者の取り扱いが用意されているのに対して、別表第2の在留資格には、それがないことから留意が必要です。

 
 
新型コロナの給付金・助成金は課税?非課税?

  新型コロナに伴う経済政策として、各種の給付金・助成金を受け取られた方も多いと思われますが、これらは「10万円の特別定額給付金」を除き、所得税の課税対象となっております。

 今回は所得税法の課税・非課税の基本的な考え方を見たいと思います。

 所得税法における課税所得は「各人に発生帰属した経済的利益のすべてを『所得』として把握し、明らかに非課税とする趣旨がない限り…すべてこれを『課税所得』としている(※1)」という考え方が採用されているため、その所得が特別の非課税規定に該当しない限り、課税所得を構成することになるのです。

 先ほどの10万円の特別定額給付金が非課税であることは、ニュースなどで取り上げられ広く知れ渡っていることと思いますが、これは新型コロナ税特法第4条第一号で特別に非課税と規定されているためです(※2)

 他方、事業をされている方は、休業協力金・持続化給付金等の助成金を受け取られた方も見えると思いますが、これらは特別の非課税規定が存在しないため課税対象とされています。

 もし、休業要請に応じ貰った50万円は課税されず、まじめに働いて得た50万円に課税されたとすれば、課税の不公平感から「働き損」のような風潮を生みだしかねず、これも事業者向けの給付金・助成金に特別な非課税規定を設けていない理由の1つであると考えられます。

(※1)東京高裁昭和51年9月13日・昭和50年(行コ)(※2)新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律(令和2年法律第25号)

 
【国際税務教室】 外国と取り交わす文書と印紙税

  グローバル化を背景に、国外の相手方と文書を取り交わす機会も散見されます。取り交わす文書が領収書や一定の契約書など、わが国の印紙税の課税対象となる文書(以下、「課税文書」とします。)に該当する場合、印紙の貼付義務について、疑問が生じることも少なくありません。

 印紙税の納税義務者は課税文書の作成者とされ(※1)、印紙を貼付する方法による納税が必要となります。しかし、印紙税法は国内法であることから、適用地域は国内に限られます。したがって、実務上、課税文書が国外で作成されたときには、当該文書に基づく権利行使や当該文書の保存が国内で行われているとしても、印紙税は課税されないものとされています (※2)

 この場合、作成場所はどのようなタイミングで判定するのでしょうか。実務的には、作成とは単なる課税文書の調製行為を指すのではなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを課税文書の目的に従って行使することをいう(※3)とされていることから、相手方に交付する目的で作成される課税文書については、当該課税文書の「交付の時」、契約当事者の意思の合致を証明する目的で作成する課税文書は、「当該証明の時」に判定されます。

 したがって、例えば、国外の相手方に発行する領収書についてみれば、国内で当該領収書の交付をするときには、印紙の貼付が必要とされ、国外の相手方と締結する契約書についてみれば、国内で契約当事者の意志の合致が成立(※4)するときには、印紙の貼付が必要となります。

(※1) 印紙税法第3条第1項 (※2)印紙税法基本通達第49条 (※3)印紙税法基本通達第44条第1項(※4)通常は当該契約書に当事者の押印もしくはサインが揃う事といえます。

 
令和元年度 査察の概要、訴訟の概要公表

  6月に国税庁から令和元年度の査察の概要、訴訟の概要が公表されました。

 令和元年度の査察調査の結果としては、検察庁に告発した件数が116件(処理件数は165件)、脱税総額(告発分)は93億円にのぼります。告発件数はほぼ横ばいですが、金額は近年5年間では一番少ない形となりました。

 但し、国税庁が近年重点事案として位置付けている、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案の件数は全体的に増えており、特に無申告ほ脱事案は過去5年間で最も多い27件の告発となりました。なお、令和元年度中に判決を受けた査察事件の第1審判決は、124件全てに有罪判決が言い渡されております。

 一方、同じ6月に国税庁は令和元年度における訴訟の概要を公表しております。訴訟の発生件数は223件で、前年度より23.2%の増加、税目別では、特に消費税が13件から33件へと増加しておりますが、一番多い税目は所得税で76件(前年度60件)となっております。また、令和元年度に訴訟が終結した件数は216件で、このうち、国側が敗訴したものは21件(一部敗訴5件、全部敗訴16件)でその割合は9.7%となっております。前年度の国側の敗訴の割合は3.4%でしたので、その割合は大きく増加した形といえます。

 令和2年度は、春以降の新型コロナウィルスに対する感染症予防対策として、確定申告期限の延長期間まで税務調査を行わないことが決定され、税務調査の予約が入っていた先もすべて延期とされましたが、その後も6月下旬までに新規の税務調査は行われていないと言われております。税務調査の再開時期は今日現在未定ですが、7月から新たな年度を迎える国税庁も新年度は不透明な状況であることは否めないと考えられます。