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税理士法人 成和新着情報

契約書と印紙税の関係について

  印紙税の課税対象文書は、印紙税法別表第一に掲げられている文書に限定されています。しかし、契約書を例にとってもその契約内容や記載方法は千差万別であることから、当該契約書が課税文書に該当するか判断に迷うことが少なくありません。

 収入印紙の不貼付けに対するペナルティー(過怠税)には、本来納付すべき印紙税の3倍の金額が課されます。税務調査の時点で貼付していないことが故意ではない為に、1.1倍の過怠税で済む場合も多いのが実情です。しかし、同種の契約についての契約書の様式は、企業において継続的に利用されることから、当該契約書が課税文書に該当するか否かの判定や、課税文書の所属判定の誤りが大きな影響を与える場合があります。
 
 印紙税法上の「契約書」は、一般的に言われるものよりも範囲が広く、印紙税法基本通達第12条で「『契約書』とは、契約当事者の間において、契約(その予約を含む。)の成立、更改又は内容の変更若しくは補充の事実(中略)を証明する目的で作成される文書」とされています。従って、申込書、注文書、依頼書などと表示された文書であっても、契約の成立等が証明されるものについては、印紙税法上は契約書に該当することになります。
 
 なお、課税文書であってもコピー、ファックスや電子ファイル化したもので、契約当事者の署名若しくは押印又は証明のないものは、基本的には課税対象とはなりません。ただし、契約書を2通以上作成した場合や、契約書に副本、謄本、写しなどと表示して作成した場合には、その契約の成立等が証明されるといえることから印紙の貼付が必要になります。
 
【国際税務教室】 非永住者の送金課税

  所得税法上、居住者(日本国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人)は国内において発生した所得(以下、「国内源泉所得」とします。)だけではなく、国外において発生した所得(以下、「国外源泉所得」とします。)についても課税を受けます。しかし、居住者の中でも、日本に居住する外国人など、日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所又は居所を有する期間の合計が5年以下である個人は、非永住者として区分され、その課税の範囲は  ① 国内源泉所得に加えて、② 国外源泉所得で (ⅰ) 日本国内において支払われたもの、又は(ⅱ) 日本国内に送金されたもの(以下、「非永住者の送金課税」とします。)に限定されています。

 実務上、(ⅱ)非永住者の送金課税の取り扱いについて迷う場合が少なくありません。すなわち、国外源泉所得が存在する非永住者が、国外から日本に向けて送金を行っている場合、当該送金が国外源泉所得の送金か、それとも、国外源泉所得以外の送金かといった、送金される資金の源泉、いわゆる「お金の色」についての検討が必要か否かについて迷うことがあります。

 非永住者の送金課税においては、このような「お金の色」が考慮されることはありません。非永住者の送金課税において、送金された資金は国外源泉所得とのヒモ付けをすることなく課税されます。したがって、国外源泉所得が存在する非永住者が、国外源泉所得とは無関係の過去の貯蓄を送金する場合や、国外源泉所得が発生している国以外の第三国から送金をする場合も、非永住者の送金課税においては課税対象とされる(※)ことに注意が必要です。
 
 (※)課税対象とされる金額は、国外源泉所得の国外払い金額が上限となります。
 
配偶者控除と配偶者特別控除の見直しの影響

  平成30年分以後の所得税につき、配偶者控除及び配偶者特別控除について大幅な改正が行われています。月々の給与等の支払を受ける際に源泉徴収される税額は、配偶者と扶養親族の合計数等に応じて計算されますが、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに伴い、配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法が変更されました。そのため月々の源泉徴収事務と年末調整事務も変わる点に留意する必要があります。

 月々の源泉徴収において控除対象とする配偶者を、従来は「控除対象配偶者」としておりましたが、これが「源泉控除対象配偶者」に改められました。「源泉控除対象配偶者」とは、合計所得金額が900万円(給与所得のみの場合、年収1,120万円)以下の給与所得者と生計を一にする所得が85万円(給与所得のみの場合、年収150万円)以下の配偶者とされます。配偶者の所得制限枠が38万円(給与所得のみの場合、年収103万円)から85万円に拡大する一方で、給与所得者の所得に制限が加えられたことになります。この「源泉控除対象配偶者」については、月々の源泉徴収から年末調整での2段階の対応となります。
 
 一方で合計所得金額が900万円超1,000万円(給与所得のみの場合、年収1,220万円)以下の給与所得者の配偶者で、その合計所得金額が38万円超123万円(給与所得のみの場合、年収201万6千円)以下のもの、又は、合計所得金額が900万円以下の給与所得者の配偶者で、その合計所得金額が85万円超123万円以下のもの、つまり源泉控除対象配偶者以外の配偶者については年末調整で対応して所得控除をすることとなります。
 
 
【国際税務教室】 DDP条件で輸入する場合の輸入消費税の仕入税額控除

  指定仕向地を自社倉庫等としたDDP条件で輸入をする場合、保税地域からの引き取りに係る消費税(以下、「輸入消費税」とします)の仕入税額控除の適用について迷う場合が少なくありません。

 DDP条件とはインコタームズの規則の一つであり、「関税込持込渡」と訳されるように、売主が指定仕向地まで物品を運ぶことに伴う一切の費用と危険を負担し、かつ輸出だけでなく、輸入のためにも物品を通関する手続きを遂行する義務を負うものとされます。その際、輸入に際して支払われる付加価値税その他の税金は、売買契約において明示的に別段の合意がない場合には、売り主が負担するものとされます。
 
 DDP等といったインコタームズの規則は所有権の移転を定めるものではないため、貨物の売主から買主への所有権の移転は当事者の契約によることになります。したがって、輸入した貨物の所有権が保税地域からの引き取り前に移転される場合には、DDP条件で輸入を行うことにより、輸入消費税の支払いを売主が行っているとしても、買主が課税貨物を保税地域から引き取る者であることから、買主の名義にて輸入申告及び輸入消費税申告を行い、輸入許可通知書の保存をすることにより、輸入消費税は買主の仕入税額控除の対象になります。
 
 他方、課税貨物の所有権が保税地域から引き取られた後に移転する場合には、課税貨物を保税地域から引き取る者は売主となります。売主は日本に本店又は主たる事務所を有しない法人であることから、税関事務代理人及び納税管理人を選任し輸入申告及び輸入消費税の申告を行うことになり、その場合における輸入消費税は売主の仕入税額控除の対象となります。
 
 
中小企業等の設備投資減税制度の留意点

  平成29年度税制改正では、中小企業投資促進税制の上乗せ措置が中小企業経営強化税制として改組されました。他の中小企業等の設備投資減税制度(中小企業投資促進税制や商業・サービス業・農林水産業活性化税制)と比較して、減税メリットが大きい反面、適用を受けるための手続きが煩雑であることに留意する必要があります。

 中小企業経営強化税制とは、青色申告書を提出する中小企業者等が、中小企業等経営力強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に特定経営力向上設備等の取得等をし、その設備等を指定事業の用に供した場合には、即時償却又は取得金額の7%(特定中小企業等の場合は10%)の税額控除(法人税額×20%を上限とし、控除限度超過額の1年間の繰り越しが可能)の適用が受けられる制度となっています。
 
 適用対象設備は2種類に分かれ、生産性向上設備(A類型)の場合は、工業会等から証明書の取得、かつ、設備投資前(注)に経営力向上計画の申請・認定が必要となります。また、収益力強化設備(B類型)の場合は、経済産業局へ投資利益率に関する確認書の申請・取得、かつ、設備投資前(注)の経営力向上計画の申請・認定が必要となります。
 
 このように、中小企業経営強化税制は各種手続きの要件や時間の制約があることに留意が必要です。
 
(注) 例外的に、設備投資後であっても取得日から60日以内に経営力向上計画が受理され、その認定を 受けることも可能。
   ただし、取得事業年度末までにその認定を受けられなければ、減税制度の適用は不可。