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中国・ベトナムへの海外進出と、海外企業の日本進出を支援しています

 

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成和ビジネスコンサルティング新着情報

【国際労務教室】 海外勤務者の労務管理 「海外勤務の種類」

急速な国際化が進む中、海外勤務はもはや珍しくありませんが、中小企業の海外勤務者に対する労務管理については、人事労務担当者の対応が遅れているケースが見受けられます。
「海外勤務」には、その実態により下表のような四つの種類があります。
この海外勤務の種類によって、海外勤務者の労働条件(給与・社会保険等の取扱い、将来受け取る年金額、退職金等)が左右されるため、海外勤務命令がどのような業務命令であるか確認する必要があります。  
また、万が一労務トラブルが起きた場合や、労災事故が発生した際には、海外勤務命令が、その社員の労働契約上合理的な範囲内のものであったかという点が重要なポイントとなります。

【海外勤務の種類の概要】
海外出張 ・・・ 一時的臨時的に海外事業所に勤務場所を変更する
            こと。
海外転勤 ・・・ 同一企業内の海外事業所に勤務場所を変更するこ
            と。日本本社との労働契約に影響はありません。
                         (例:海外駐在員事務所への転勤)
海外在籍出向 ・・・ 日本本社との労働契約を継続し籍を残したまま
                                海外出向先会社とも労働契約を締結し、出向先
                                会社の指揮命令下で労務を提供すること。
                                (例:海外現地法人への在籍出向)
海外転籍 ・・・ 日本本社との労働契約を解消し、海外出向先会社と
                          新しく労働契約を締結すること。
                          (例:海外現地法人への転籍)

 
【国際労務教室】 中国の労務管理事情 「経済補償金」

中国の労務管理事情について、特徴的とされている点をご紹介します。
使用者側の都合により労働契約を終了・解除する場合には、「経済補償金」の支払いが求められます。具体的には、使用者は、下記①~④に該当する場合等に、その会社における従業員の勤務年数に応じて、1年につき1ヶ月分の賃金の額に相当する「経済補償金」を従業員に支払わなければなりません。

 ① 使用者が合意解除を申し出て、従業員が承諾する場合
 ② 使用者の責に帰す理由により、従業員が労働契約を即時解除
   する場合
 ③ 使用者が解雇予告又は解雇予告手当の支払いにより、従業員を
   解雇する場合
 ④ 使用者が整理解雇を実施する場合

支払いを求められる経済補償金の額は、以下の数式によります(※1)。
勤務年数の上限は12年と定められていますが、上表の③の場合は、解雇予告手当(1ヶ月分の賃金の額に相当)に加え、経済補償金の支払いも要します。
中国においては、経済補償金という金銭面での労務リスクを念頭に置いた労務管理上の対応が必要とされます。

 経済補償金 = その使用者のもとにおける勤務年数 
            × 従業員の平均給与(※2)

(※1)経済補償金の計算に際しては、1年未満の勤務年数の算定方法等、詳細な取扱い方法を確認する必要があります。
(※2)労働契約の終了又は解除前12ヶ月の平均給与を指し、使用者所在地における前年度平均賃金の3倍を限度とします。
 

 
【国際労務教室】 高度外国人人材の活用と入国管理法

グローバル企業が国際競争力を高め、生き残りを図るには、優秀な外国人材の獲得・活用が必須といえます。グローバル企業で活躍が見込まれる外国人材としては、大卒以上の教育レベルで、海外進出を担当する営業職や法務・会計等の専門職、エンジニア等の専門職、経営に関わる役員や管理職の職を担うべき人材が挙げられます。
「高度外国人材」(※1)と言われるこれらの人々を獲得し、育成、定着させることが日本企業の課題なのですが、実際には受け入れる企業に外国人材雇用の知識が不足しているため、これらの課題の解決が難しくなっています。
まずは、外国人材雇用の基礎情報として、入国管理法上の取扱いを確認することが大切です。
「高度外国人材」は、下記のような「在留資格」(※2)を有するか、又は取得したいと望むケースが多いようです。企業には、在留資格の活動範囲を外れる雇用の仕方の回避はもとより、採用予定留学生の在留資格変更の支援等、外国人材のキャリア形成への配慮が望まれています。

【高度外国人材に想定される在留資格】
「研究(企業内の研究者)」、「技術(機械工学等
 の技術者、SE等のエンジニア)」
「人文知識・国際業務(企画・営業・経理等の事務職、
 通訳、デザイナー等)」
「永住者」(日本に10年以上引き続き在留している
 こと等を要件に法務大臣より永住許可を得た者)

(※1) 厚生労働省が平成21年度に実施した高度外国人材活用促進事業において定義づけています。
(※2) 「在留資格」とは、日本に上陸・在留する外国人の在留活動等を類型化したものです。
 

 
【国際労務教室】 中国 社会保険の外国人への適用拡大

中国では、外国人就業者の社会保険加入を定めたとされる「社会保険法」(2010年制定)が、7月から施行されようとしていますが、具体的にどのように加入させるか未だ公式発表がなされていません。
このような状況下、6月10日に外国人の社会保険に関し広く意見を聴取するため公開された意見聴取稿(※1)に注目が集まっています。要旨を抜粋しご紹介します。

外国人の適用範囲  ・・・ 中国国内企業に直接採用された外国人、
                   及び外国の雇用主から派遣され中国国内
                   事業所に勤務する外国人。
加入する社会保険 ・・・   養老保険、医療保険、労災保険、失業保
                   険、出産保険。
帰国時の返金等  ・・・    外国人の養老保険は納付年数が累計計
                  算されるが、中国を出国する場合は申請
                  によ り納付した保険料が返金される。

                                                                                                 「社会保険法」には罰則規定もあり、日中両国の間には社会保障協定が締結されていないため社会保険料負担によるコスト増に不安を抱える日系企業も多いでしょう。
しかし、そもそも日本が社会保険料の二重払いを回避する「社会保障協定」を発効している国は現時点で12か国しかありません。外国での事業展開には、このような社会保険加入の課題はつきものであるとして、ここは慎重な情報収集の下、適切な対応が求められます。

(※この意見聴取稿は、人力資源及び社会保障部から公開された「中国国内にて就業する外国人の社会保険加入に関する暫定施行弁法(意見聴取稿)」です。あくまで意見聴取を目的としたものであり、法令に定められた内容を示したものではない点、ご留意下さい。)

 
【国際労務教室】 海外赴任すると年金が減る?

海外赴任者の給与の支給方法をどのように決めていますか?
在籍出向による海外赴任の場合、日本出向元から支給される給与と出向先の海外現地法人から支給される給与の二つが支給されるケースが多くみられます。
このように日本出向元から給与が支給されている限り、原則として、海外赴任者の社会保険の被保険者資格継続は可能となります。
ただし、ここで注意すべき点が一つあります。
海外赴任者の社会保険料の計算の基となるのは、原則として日本出向元から支給される給与のみです。
日本出向元支給の給与は、生活の拠点を海外に移すため、社会保険の被保険者資格継続のための最低限の支給とする企業も多いようです。
一見、企業も社員も社会保険料の負担が軽くなり得をしているように見えるのですが、これでは将来受け取る年金額が大きく減少してしまいます。 
海外赴任者の給与の取扱いについては、このような年金額の減少の問題だけでなく海外の社会保険との二重加入・海外の年金保険料の掛け捨てなど、実は様々な課題をはらんでいます。
日本勤務時の給与に海外赴任手当をプラスした総額を日本と海外で配分するという給与の決定の方法ではこれらの課題が残る点に注意が必要です。