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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】 複雑化する相続税・贈与税の納税義務(平成30年度税制改正)

 相続税、贈与税の納税義務に関して、平成30年度税制改正において見直しが図られます。平成12年度、25年度、29年度に引き続いての改正となり、複雑さが増しています。

 相続税、贈与税の納税義務者は、相続・遺贈や贈与により取得したすべての財産について納税義務を負う無制限納税義務者と、取得した財産のうち日本国内にあるものについてのみ納税義務を負う制限納税義務者に区分されます。従来、この区分は財産を取得したときに、その者が日本国内に住所をもっているか否かで判別されていました。それにより、住所を国外へ移すことによる租税回避が頻発し、それらの抑制を目的に見直しが繰り返されてきました。
 
 他方、繰り返された納税義務の見直しにより、例えば、海外から日本に赴任する外国人といった、一時的に日本に滞在する外国人に相続が発生した場合、日本に居住したこともない相続人が取得した国外財産も相続税の課税対象となることから、問題とされてきました。このような弊害を取り除くべく、平成29年度の税制改正で一定の外国人を短期滞在の外国人(※1)として、相続が生じたときに相続人及び被相続人が短期滞在の外国人に該当する場合は、国内財産のみを課税対象とする措置が講じられ、平成30年度改正では当該部分がさらに緩和される予定です(※2)。複雑化する相続税・贈与税の納税義務への正しい理解が必要となります。
 
(※1)出入国管理及び難民認定法別表一の在留資格を有し、過去15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者、もしくは、日本国籍のない者で、過去15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者。(※2)贈与税については、一部、租税回避防止を目的とした取り扱いが講じられる予定です。