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中国系銀行から融資を受ける場合の注意点
中国では、バブルといわれるような不動産価格の上昇や、物価のインフレーションなどが顕著化してきています。このような現状を踏まえ、さらなる景気の過熱防止を目的として、政府当局は海外から流入する資金に対する管理を強化しています。最近では、特に高額な資金流入については、当該資金流入がいわゆるホット・マネーであるか否かについて詳細な確認がなされる傾向にあることから、外資企業の増資に代表されるような高額な資金流入については、国家外貨管理局による限度額の厳格化や審査時間の長期化が見られるところです。
そのため、中国国内において、より迅速で、スムーズな資金調達を行うために、中国系銀行から融資を受けることを検討する企業が見られるようになってきています。
そこで、今回は、中国系銀行から融資を検討する際の注意点である金利について、簡単にご紹介します。
■融資の金利
融資を受ける際の金利の額は、以下の算式に従って計算されます。
金利額 = 融資額 × 〔 基準金利 + ( 基準金利 × プレミアム率 )〕 |
★基準金利 ⇒ 中国の中央銀行である「中国人民銀行」が一律に定める金利
★プレミアム率 ⇒ 銀行が自らの与信判断で適用する掛け率
(1)基準金利
基準金利については、中国人民銀行によって適宜見直しが行われます。
最新の見直しは、2010年12月26日に行われた金利の再引き上げで、調節表が発表されています。下記の表は、最近二回の金利見直しの調節表を示したものです。
最新のものでは、一年以内の貸付金の基準金利は0.25ポイント引上げられました。
(2)プレミアム率
プレミアム率は、銀行が自行の与信判断により、融資する企業ごとに適用する掛け率であるため、特定な数字を示すことはできません(※)。
(※)現状において、一般的な融資におけるプレミアム率の上限幅は、おおよそ10%程度とみられています。なお、具体的なプレミアム率は、企業の業種、規模、資金用途、融資担保などについて、銀行担当者が審査を行っていく過程の中で決定されることになります。
このように、中国の銀行より資金調達を行う場合は、基準金利に自社の信用に基づいて適用されるプレミアム金利が加算された利率が調達コストとなります。
以上、現状においては、資金調達における中国の調達コスト(金利)と日本の調達コスト(金利)とを比較すると、中国系銀行から融資を受ける場合の金利は極端に高くなっていることが確認できます。