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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】 国外で支払われる少額な給与の確定申告

 日本の居住者が国外に所在する外国法人より、二ヶ所目以降の給与(以下、「従たる給与」とします。)の支払を受ける場合も散見されます。このような給与は少額であれば、いわゆる給与所得者の申告不要制度により確定申告をする必要はないのでしょうか。

 給与所得者は、給与等の金額が2,000万円以下であれば、給与の支払者による年末調整事務を通じて所得税の精算がされることから、確定申告は不要とされています。さらに、その場合において、二ヶ所以上から給与の支払を受ける場合や、他の所得がある場合においても、それらが一定の金額(20万円)以下の場合には、確定申告は不要とされています(以下、「給与所得者の申告不要制度」とします)(※1)。このことから、国外に所在する外国法人から日本の居住者に支給される従たる給与についても、その金額が一定の金額を超えないような少額の場合には、給与所得者の申告不要制度により、申告の必要がないものと考えがちです。

 しかし、二ヶ所以上から給与の支払を受ける場合において、給与所得者の申告不要制度が適用されるのは、それら給与の全てが、所得税の源泉徴収が行われる給与の場合に限られます(※2)。したがって、所得税の源泉徴収の規定が適用されない給与等の支払を受ける場合には、当該制度の適用は受けられません。国外において支払われる給与の場合、わが国の所得税の源泉徴収の規定は適用されません。したがって、このような給与等の支払を受ける場合には、当該給与が一定の金額以下であっても、給与所得者の申告不要制度の適用はなく、確定申告が必要となることから注意が必要です。(※1)所得税法121条。(※2)所得税基本通達121-5