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【国際税務教室】 海外で職務に従事する役員に対する課税

  社会経済のボーダレス化、及びオンライン化により働き方が多様化しています。なかには、海外に居住する者を取締役等の役員に登用し、オンライン会議などの手法により、海外に居ながらにして法人の経営に従事させるといったケースもみられます。その場合、当該役員の報酬に対する所得税の取り扱いは、どのようになるのでしょうか。

 所得税法によれば、国内に生活の本拠がない者は非居住者とされ、日本国内で発生した所得(以下、「国内源泉所得」とします)についてのみ課税を受けます。したがって、非居住者の所得税について検討する場合、対象となる所得が国内源泉所得に該当するか否かの判定が重要となります。人が役務を提供することにより得る所得は、何を基準として判定するのでしょうか。

 所得税法上、給与などに代表される人的役務の提供の対価は、原則として役務の提供地(勤務地)によって所得の発生地の判定がなされます。したがって、非居住者の所得が使用人としての給与に該当するときには、日本国内で勤務を行う場合に限り課税所得となります。

 他方、人的役務の提供の対価の中でも、役員報酬など、役員としての人的役務の提供の対価は、その業務の特殊性を理由として、原則的な取り扱いとは異なり、当該法人の本店所在地国によって所得の発生地の判定がなされます。したがって、非居住者の対象となる所得が、本店所在地が日本である法人の役員の資格により取得する役員報酬である場合には、当該役員としての業務が、オンライン等により日本の国外で行われていたとしても、国内源泉所得として課税(20.42%(復興特別所得税含)の源泉徴収)の対象となります。