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【国際税務教室】 株式報酬制度と国外転出時課税

 役員や従業員へのインセンティブ・プランとして、株式報酬制度を導入する企業も見られます。株式報酬制度には様々なものがありますが、なかでも、ストックオプションや譲渡制限付株式は中心的な制度のひとつといえます。

 ストックオプションや譲渡制限付株式の付与を受けている役員や従業員が、海外赴任することも想定されます。その場合、海外赴任に際して、国外転出をする場合の譲渡所得等の特例(※1)(以下、「国外転出時課税」とします)の適用について、心配されているケースも見受けます。

 国外転出時課税とは、国境を越えた人の動きによる課税回避への対抗措置として2015年(平成27年)に創設された制度であり、2015年(平成27年)7月1日より運用が開始されています。具体的にみれば、海外移住や海外赴任など、国内に住所及び居所を有しないこと(以下、「国外転出」とします。)になる一定の居住者が、1億円以上の有価証券などの対象資産を所有等している場合には、その対象資産の含み益に15.315%(復興特別所得税含む)の税率で所得税の課税を行う制度となります。ストックオプションや譲渡制限付株式は、国外転出時課税の対象資産となる有価証券等に含まれるのでしょうか。法令によれば、譲渡について制限が解除されていない譲渡制限株式や、権利行使をしていない新株予約権は、国外転出時課税の対象資産となる有価証券等から除かれています(※2)。したがって、海外赴任する者への国外転出時課税の適用は、これらを除いた有価証券等の金額により判断されることになります。

(※1)所得税法60条の2 (※2)所得税法60条の2、所得税法施行令170条1項