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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】 所得税法における海外勤務者のステイタス

 新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、帰国をしている海外勤務者も多いものと考えます。その場合、海外勤務者の所得税法上のステイタスについて、迷うことも想定されます。

 所得税法は、納税義務者のステイタスに応じて、課税の範囲や課税の方法を異にしています。したがって、正しく納税を行うためには、正しいステイタスの判定が必要となります。

 ステイタスの判定はどのようにするのでしょうか。所得税法では、居住者について「国内に住所を有し、又は…1年以上居所を有する個人をいう」と定義しています(※1)。 それによれば、納税義務者の状況に応じて総合的に判定する必要があり、判断に迷う場合も少なくありません。そこで、形式的かつ客観的に推定できるよう、規定が設けられています(※2)。 そこでは、非居住者について「国外において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること」とされることから、実務上、海外勤務者については、契約等において海外における勤務期間が、予め1年未満と定められている場合を除き、非居住者と推定します(※3)

 したがって、コロナウィルス感染症の感染拡大を受けて、帰国している海外勤務者についてみれば、帰任辞令により海外勤務の任を解かれた場合などは、その時点で居住者となるものと考えます。他方、帰任の辞令がない状況で、長期間の帰国となっている海外勤務者のステイタスについては、海外勤務者の状況に応じて総合的に判定する必要が生じるものと考えます。

(※1)所得税法第2条。実務的には、この場合の「住所」とは、民法上の解釈と同様に「生活の本拠」とされます(所得税基本通達2-1)。(※2)所得税法施行令15条。(※3)所得税基本通達3-3